Steve Reich

タイミング良く、Steve Reichの新作『You Are』が出ていた。前作から二年ぶりのアルバムで、ポピュラー音楽並みのスパンでの新作。音的には、前作の『Three Tales』の延長線上というより、同一線だと言っていい。



『Three Tales』は、テクノロジーによって招いた悲劇を批判している作品で、その音楽を映像化したDVDとセットになっていてる。Philip Glassが音楽を提供している映画、『Koyaanisqatsi』シリーズ(「カッツィ三部作」)を意識したのかもしれない。その『Three Tales』のDVDを見ていると、重いテーマを持っている事がわかり、色々考えさせられる部分がある。

『You Are』にはそのような批判性みたいなものが隠されているのかどうか、あまり情報が無い現時点ではわからないけど、だから純粋に音のみを聴くことが出来る。

組曲形式の「You Are」は、コーラスを巧みに使った曲で、ピアノのミニマルなフレーズ上にコーラスが響く。時折入るマリンバの打楽器的なフレーズが印象的。もう1曲の「Cello Counterpoint」は、ライフワーク的な「Counterpoint」シリーズの最新作。同族の楽器を使い、主題に当たる楽器の個性を際立たせる事が「Counterpoint」シリーズの作曲意図だったと思うけど、それによってサポートの楽器の音も浮かび上がってくるのは、Reichの意図なのだろうか。