Nine Horses

Nine Horsesは、David Sylvianと弟のSteve Jansen、それにBurnt Friedmanの三人のユニット。David Sylvianの前作『Blemish』は傑作だったので、次はどう出るかと思っていたら、ちょっと肩透かし。まあ、仕方ないのかと思いつつ、とりあえず聴いてみる事にした。



Burnt Friedmanは、BlemishのRemix盤で名前を知っているぐらいの知識しかなかったので、この人がどういう役割をこのユニットで果たすのかわからない。知らない人なので、クレジットを見なければ彼が何をやっているのかわからない。しかもクレジットを見るのもめんどくさいので、とにかく聴いてみる。



一聴してというか、1曲目を聴いた時点で、ジャジーな音が多いと感じる。しかもベースの音、「これ、Wベースじゃないか?」と思い、めんどくさいと思いながらも結局ライナーでクレジットを見る。やっぱりWベースだった。なんとなく驚く。でも、もっと驚いたのが、ベーシストの名前がKeith Rowe。「へ?、Keith Roweって、あの元AMMのKeith Rowe?」と思って、何故か焦る。このKeith Roweは数曲に参加していて、他の曲ではベースギターを弾いている。そりゃ、Keith Roweぐらいになれば、ベースも弾けるのかもしれないけど(本来はギタリスト)、いくらなんでも同姓同名だよなあ。Baileyと同じぐらい、インプロする事が全てのKeith Roweが、まさかこんなに普通にベース弾くわけ無いよなあ。と、いきなり脱線してしまうような出来事のせいで、メタメタな状態。でもこの『Snow Bourne Sorrow』は、ジャジーな音と、微かに使っているエレクトリックの音の混ざり具合が良くて、これからの寒い季節に溶け込む様な音。時折出てくる管楽器やアコースティックギターの音色は温かみを帯びていて、ちょうどいいコントラストになっている。『Blemish』の音が強すぎてダメだった人にも、これは受け入れられるんじゃないだろうか。




しかしまた、こんなところにも坂本龍一は顔を出している。ホント、どこにでもでてくるな、この人は。