藤井郷子

新作の『Angelona』は、田村夏樹、早川岳晴、吉田達也とのカルテットによるスタジオ録音。このカルテットでの作品はこれで4作目だけど、今まで1曲たりともつまらない録音は無い。勿論新作もつまらない音は一切無い。



このグループを特徴づけているのは、テーマをユニゾンで奏でる瞬間。ここの嵌り具合がカッコよくて、特にライブを見てる時のインプロからテーマに戻る瞬間は、「来やがった」と、思わずニヤニヤしてしまう。今回の新作は、今までの作品よりベースの音がフィーチャーされていて、早川岳晴の強烈なベースソロを聴ける瞬間が多い。こう言ってしまうと何だけど、早川岳晴のリーダー作より、ここでのソロの方が刺激的な音がある。早川岳晴はかなり自己主張の強いベーシストなので、誰とでもフィットするタイプではないのだけれど、それが上手い具合に作用すると、「こいつ絶対世界で一番凄い」と思わせるようなプレイを聴くことが出来る。



今年は結局このグループのライブを見れなかったけど、来年は逃さないようにしなければ、と、改めて思った。この強烈な面子、世界中のどのグループにも引けをとらない。