AFX

Richard D JamesがAFX名義で95年ごろにアナログオンリーで発売されたシングルをコンパイルした『Hangable Auto Bulb』が発売された。この中に詰まっているのは、後にドリルン・ベースと呼ばれるスタイルの最初期で、特に大きな驚きは無い。このドリルン・ベースは、ドラムン・ベースを更にアッパーにしたようなスタイル。その攻撃性溢れる音で、ドラムン・ベース衰退後もドリルン・ベースは延命した。

ちなみにドラムン・ベースが衰退したのは、Roni Size Reprazentの『New Forms』を超える作品が生まれなかったことが、その原因だと思っている。『New Forms』が発売された当初、オレはアホみたいにこればかり聴いてたし、そこから産み落とされるさまざまなRemixも無視出来なかった。だけどその後に期待されたミュージシャンの作品は、どれも『New Forms』で味わったものを超える事も、違ったものを感じさせることも出来なかった。今でもUKのアンダーグラウンドでは、ドラムン・ベースの音が受け継がれているらしい。もしかしたら近いうち、このスタイルの復権が行われる事が期待できるかもしれない。



話は反れたけど、『Hangable Auto Bulb』にはRichard D Jamesらしいブラックジョーク感覚があって、彼の作品が好きならば買っても損は無い。オレもドリルン・ベースをまとめて聴くのは久しぶりだったけど、たまにはこうやって思い出すように聴いてみるのもいい、と思った。