The Books

という事で、思い出したようにThe Booksの『Lost and Safe』を聴いて思ったことを書いてみる。

このユニットを知ったのは今年のPrefuse 73とのコラボ『Prefuse 73 Reads the Books E.P』からで、その後発売された『Lost and Safe』をなんとなく聴いてみた。

エレクトリックやサンプリングを主体とした音楽ながら、歌入りで構成されていて、まずはその構成力に惹かれた。決してアブストラクトに逃げる事はせず、アイディア一発ではなく、構成力でこの手の音楽を作り上げられる事が珍しいし、この場限りの副産物の様な音も無い。そしてこのユニットのリズム感覚は、この手の音楽にありがちなスクエアなリズムで押し切ったり、必要以上に音を編み込んで窮屈なものになったりしない。

「フォーキー」という言葉がよく使われるようだけど、それも納得できる。音響的な揺らぎより、「フォーキー」な揺らぎを感じる。斬新だけど、どこか懐かしい気持ちにさせる、そんな音だと思う。