Neil Young

新作『Prairie Wind』が10/26に発売(輸入盤はとっくに出ている)という事で、最近Neil Youngの作品を聴きなおしたりしている。

オレにとってのNeil Youngはやはり『Weld』からで、それを聴く前は興味の対象ではなかった。なんとなくDylanとイメージを重ね合わせたりしていたのだけど、Dylanのようにクールな感じは無く、ゴリラ面のダサいオッサンってイメージが強かった。それが、Sonic Youthを前座に迎えたツアーのライブアルバム『Weld』を聴いて、その音の力強さにねじ伏せられた。その後、Neil Youngの過去作を聴くにつれて、特に90年代においてはDylanよりもNeil Youngの方が聴き応えのあるものが多い事もあって、Neil Youngを聴く機会が増えていく。そして一昨年のGreen Daleツアーで、初めてNeil Youngのライブを見て、アンコールの最後にLike a Hurricaneのオルガンが下りてくるのを見て、鳥肌が立ったことを思い出す。Nirvanaをリアルタイムで聴いていた世代としては、やはり「Hey Hey, My My (Into The Black)」の「It's better to burn out than it is to rust」の一節は忘れられないし、この曲そのもののカッコよさも特筆に価する。



それでも、オレは一つだけ腑に落ちない事がある。それは、Dylanのデビュー30周年記念のコンサートのビデオを見たときのことで、そこにはNeil Youngもゲストの一人として出演していた。コンサートには、そのちょっと前にローマ法王の写真をメディアの前で破り捨てて糾弾するという行為に及んだSinead O'Connorも呼ばれていて、その行為によって彼女は、ブーイングの凄さに演奏をストップしなければいけないという有様。そして意を決したように彼女は、Bob Marleyの「War」をアカペラで歌い、泣き崩れるようにステージの脇に引っ込むという、壮絶なシーンがあった。その後に登場するのがNeil Youngで、彼はこの場をどうやって収めるのかと思ったら、何事も無かったように演奏を始めてしまう。それが間違った事だとは言わないけれど、Dylanの功績を称えるコンサートで、しかも目の前で起きた事に、Neil Youngならば何かもっと他の行動が取れたんじゃないか?、と、思った。その事があって、結局キリスト教文化では、その不可侵な部分に対しては殆どが何も出来なくて、だからこそSex Pistolsの存在というのは大きな衝撃だったのだろうと気付く事になるのだけど。