Altered States

今日(9/6)から三日間、新宿ピットインでAltered States結成16周年記念3Daysという事で、とにかく初日を見に行く事にした。

昨日の投稿にも書いたように、今日はZUとのダブルバンドというスタイル。ピットインは通常20時スタートなのだけど、ZUはFantomasの全公演で前座を務めるはずなので、「どういう事?」と思いながらピットインへ。とりあえず開場前にピットインに到着、どれぐらい人がいるかと思ったら、30人ぐらいはいる感じで、なぜかオレがちょっと安心。入場後、ウダウダ開演を待ってたら、20時ちょい過ぎぐらいでAltered States登場。内橋和久のMCが始まって、「ZUはクアトロで内職やってるので、ちょっと遅れます」との事。実はZUのブッキングはAltered Statesの方が先だったらしく、芳垣安洋が「ギャラを・・・」と言って笑いを取る。さらにオレも不思議に思っていた「16周年記念って、なんでそんな中途半端な記念?」という事も、芳垣安洋が「実は内橋和久が、今年が15周年だと勘違いしていた」と暴露する。

そんなやりとりがあって、とりあえずZUが来るまでAltered Statesの単独という事で、演奏が始まる。今更特にいう事は無く、相変わらずのカッコイイ演奏が繰り広げられる。このグループの基本はインプロなのだけど、ひたすらフリーキーな演奏をするわけではなく、いくつかのフレーズを組み合わせた形で演奏を行う。そこから色々展開していくのがこのグループの持ち味で、例えば、「こうきたから、こうなる」と、思った事と違う事をやったりはしない。しっかりその通り進行して、その後にさらにもう一段階の展開を見せるようなスタイル。

単独での演奏が続いている最中、ZUがクアトロから駆けつける。それに気付いた芳垣安洋が演奏を終わらせにかかって、とりあえず1曲終了。ZUを紹介して、また余計な話を始める。そのMCでZUの名前の由来は日本語という話が出てきて、ZUのメンバーに尋ねたところ、「その通り」という答え(ZU=図という事らしい)。それで「なんで日本語?」と内橋和久が訊ねると、「+LoKJA::コー」という答え。内橋和久が「判子?、判子ってあの判子?」と、判子を押す手振りをする。皆で「???」となっていたら、結局「Uncle」と言っていたことが判明。それで芳垣安洋が「(内橋和久を指差しながら)この人、今ヨーロッパに住んでるんだよ・・・」と余計な事を言う。

あ、オレも余計な話が長くなった。



その後、ダブルバンドでインプロが始まる。やはりこれだけ揃うと、音が厚い。だからAltered States単独の時には出てくる、エレクトリックで透明な瞬間というのは出てこない。でも、この音の塊の強さはなかなか良い。イニシアチブはAltered Statesが握っていると言ってもいいと思うけど、ZUも頑張ってついて来る。ベースとドラムは二人ずついるので、どうしても聴き比べてしまう。ドラムは、芳垣安洋の音の強さに圧倒される。ZUのドラムも頑張るのだけど、芳垣安洋の音の強さは尋常じゃなくて、しかも今日は、同じドラムと張り合う状態なので、いつもより更に熱い。ホントに凄い音を叩き出していた。そしてベースは、ZUのベースがベース単体での音の出し方なのに対して、ナスノミツルは音響的にも気を使った音で、若干方向性の違いが浮き彫りになる。そしてやはり演奏のグルーヴはナスノミツルが持っていて、キメのようなフレーズをドンドン使ってくる。やっぱこのベーシスト、只者ではない。フロントの内橋和久とZUのバスサックスは、楽器も違うし、語彙の持ち方があまりにも違いすぎで、比べるようなものではない。こういう風に書くとZUがダメという感じにも取られるかも知れないけど、実はそうではなかった。このグループ、Fantomasでの前座の時のように、作曲してある曲を演奏する事が信条のバンド(だと思う)なので、このようなインプロはそんなに数をこなしているとは思えない。もちろん、ある程度はやっているだろうけど、Altered Statesのように、各々が色んなプロジェクトやセッションに参加して場数の踏み方が違うグループとは、比べるものではない。それでも、ZU自身が音を切り開く瞬間は少なくても、しっかりAltered Statesについていったし、カオスになる瞬間の咆哮はなかなか面白かった。

2ndセットは最初にZUが単独でインプロをやったのだけど、Fantomasの前座で見た演奏より、この演奏の方が全然よかった。その後、Altered Statesが加わってダブルバンドでの演奏が始まる。まあこの辺については、1stセットと同じ感じ。



2ndセットも終わり、アンコールの手拍子の中、引っ込む事もせずにそのままアンコールに応える。その時ZUのベースに内橋和久がなにやら話しかけてて、手拍子も静まった頃内橋和久が、「何か曲をやろうと思ったので、何か曲出来るか?って聴いたら、ZUの曲なら出来るって言われた・・・」と、また余計な事を言う。それでもなにか曲のモチーフが欲しかったらしく、「とにかく曲をやります」と言って演奏を始める。オレは「これ曲か?」と思っていたら、オレのよく知っている曲のフレーズが。でも、、、オレの適当な音楽の聴き方のせいで誰の曲か思い出せない。帰りの電車に乗りながら考えていたのだけど、恐らく、Dave Douglasの「Ferrous」じゃ無いかと思うんだけど・・・。演奏は、少しずつ音を減らして、最終的にはZUのバスサックスを一人残して、皆楽器から手を離す。その間、バスサックスの人は音を出す瞬間を見計らってたのか、目を瞑ったままマウスピースを咥えている。とうとう誰も音を出さなくなり、Altered Statesのメンバーと、ZUのベースとドラムは、半笑いでバスサックスを見つめている。音の鳴らない時間が続いて、「どうするよ?」と思ったら、結局音を出さずにマウスピースから口を離して大団円。



明日(日付的には今日)はSantanaのLotusをやるらしい。オレはどうするかというと、結局残り二日のチケットを購入したので、3Days制覇する予定。