坂本龍一

7/26、Zepp東京坂本龍一のライブを見に行ってきた。白々しく坂本龍一のことを書いていたのは、実はこの日のための伏線だった。

とある人のBlogで今回のツアーにFenneszが参加する事を知り、それから先週末まで悩んだ末に行ったライブ。ギリギリ土曜に、ヤフオクで\12,000でゲットした指定席のチケット。ライブに行くかどうか悩んだ一番の理由は、Zeppの場所がオレのテリトリーから外れている事。くだらない理由に思えるかもしれないけれど、オレにとっては結構きつい事。

そんな事はどうでもいいか。

まあ、とにかくZeppへ。

テリトリーがどうとか言ってる時点で、実はゆりかもめが初めてなオレは、あの車両の、あまりにちゃちなつくりにブルーになりながらZeppに向かう。Zeppに向かう途中、車の展示場みたいなところにTOYOTAのF1カーが置いてあって、もう少し早く来てF1カーを近くで見学したかった、と、後悔しながら通り過ぎる(これもどうでもいいな)。

Zepp入場。コインをビールに変えてサクッと飲み干し、とりあえず混みこみの喫煙所で必死にタバコを吸う。その後、席へ向かう。席について舞台を見ながら、「ここがFenneszだな」とかチェック。そうこうしているうちに舞台ではCO2削減を訴える映像が流れ出し、そろそろ始まる予感。

メンバーの入場。場内歓声。

オレは「おお、あれがFenneszか」と、坂本龍一には目もくれない。そしてライブが始まる。



余計な事いっぱい書いておきながら何だけど、内容については触れない。というのは、某巨大掲示板をチェックしたところNHKのカメラが入っていたらしく、今日のライブはNHKのハイビジョンあたりで放送されそうという話だった。なので、それを見てもらえれば、オレがここにわざわざ書いておく必要は無いだろうと思ったので、余計な話に終始してみた。

ただ、Fenneszの音は、例え坂本龍一の曲への提供であっても、やはりFenneszの音だった。特にイントロをFenneszの音で始めた曲は、「Fenneszのソロ?」と思うようなものだった。あの音をライブで体験できたというのは、この間のOKIのトンコリの音色と同じぐらい特別な音を聴いた、と感じた。そしてオレはライブの間、終始皆と違う方向、Fenneszの方を見ていた・・・。あきらかに回りは坂本龍一の方に顔が向いてるのに、オレはFennesz。やばいヤツと思われても仕方ない。ちなみに坂本龍一は、トータル5分ぐらいは見たと思う。CorneliusとSteve Jansenもそれぐらい。Skuliは、Fenneszの近くにいたので、恐らく10分ぐらいは見てると思う。ホントにどうでもいい話。

※7/28に追記(あまりにもいい加減なライブ評だったので、追記してみる事にした)。



オープニング、Fenneszはギターを持って登場。その後もいくらかのフレーズを、ギターで弾いていた。ギターは、Fenneszの作品でも分かるように、特にいじった音ではなく、素直なエレキの音(だと思う)。

坂本龍一の曲は、耳にしたことのあるものが多かったので、YMOやソロのキャリアでの代表曲が多く演奏されていたと思う。ただし、曲名は知らない。

Corneliusはギター&エレクトロニクスという感じで、FenneszがPBから出すノイズとは違うベクトルのノイズが出ていて、悪くなかった。その二人が音を絡めあうところは、このツアーのハイライトの一つだと思う。終盤、Corneliusの機材の調子が悪くなり、音が出せないという状況が発生。そのトラブルをオレは気付いていなかったのだけど、周り客が何故か左側を向いている事に気付いて、オレもそこに顔を向けてみたら、Corneliusがトラブっているという状態。他のメンバーの表情を伺うと、皆そしらぬ顔で普通に演奏している。実はこの時の、Fenneszの音だけが前に出ているこの時が、オレには一番いい時間だった。

Steve Jansenは、普通のドラムセットと去年兄のDavid Sylvianのサポートで来ていたライブと同じように、パーカッションの様なコントローラーを使ったシンセドラムのような物を叩いていたりしていた。特に驚きは無かったけど、無難に演奏をこなしていて、悪くなかったと思う。そういえば、メンバー紹介の時に、一番大きな拍手を貰っていたのがSteve Jansenだった。

Skuli Sverrissonの名は知らなかったのだけれど、Fenneszのツアー参加を知ったBlogで、Jim Blackと共演みたいな事が書いてあったので、もしやと思いJim BlackのCDをチェックしてみると、そこにSkuli Sverrissonの名が。他にも、Ben MonderやTheo BleckmanなんかのCDにもSkuli Sverrissonの名が載ってて、知らず知らずの間にその音を聴いていたことに気付く。実際にその生音に接して分かったのが、決してトリッキーなプレイヤーでは無いという事。いかにもベース的な音の時もあれば、地を這うような重低音を響かせる。時折コントラバスに持ち替えて、アルコで重層的な音を聴かせてくれる。多彩なプレイヤーだと思う。ベースの弾き方はちょっと変わっていた。



全体としてどうだったかというと、オレは素直に楽しめた。坂本龍一ファンが楽しめたのかどうか、は、わからない。FenneszやNotoとのコラボの日本盤が発売されない状況を見ると、恐らくFenneszCorneliusが出していた音を楽しめない人達もいたかもしれない。でも、あの音を心地良く感じた人も居たのではないだろうか。そういう人がいる事を、そしてこの先のライブでそういう人が増える事を、Fenneszファンの一人として期待したい。