No Wave

James ChanceがContortionsをリユニオンし、日本でライブを行っている。という事で昨夜、代官山のUNITでContortionsのライブを見に行ってきた。。

三日間あるうちで金曜を選んだのは、チケット発売当初、金曜だけ前座の告知が無かったというのが、その理由。前座は時間の無駄と感じることも多いので、個人的には出来れば前座が無い方がいいと思う事が多い。結局金曜にもReck/大友良英/中村達也で前座の発表があり、これなら見たいと思わせる編成だったでの、結果的に金曜を選んで正解だった。大友良英のBlogをチェックしてると、この日はReckの曲をやると書いてあったので、「もしかして・・・」と期待。この3人で以前、新宿ピットインでのライブもあったと思うけど、詳細はわからないが、恐らくセッション的なものだったんじゃないかと推測できる。さらにもっと遡れば、Reckと大友良英はOptical8で組んでいたし、その辺の事を考えればやっぱりそういう路線かも、とも思った。



ライブが始まる。まずは大友良英が登場。ターンテーブル(?)でノイズを撒き散らして、場の温度を上げる。その最中、Reckと中村達也が出てきて曲が始まる。



Frictionだった。



曲は殆ど(多分全部)、Zone Tripperからだったと思う。Frictionはオレにとってかなり好きなバンドの一つなのだけれど、ライブはタイミングが合わず一度も体験していなかった。Zone Tripper発表後はある程度ライブをこなしていたはずだけれど、いつの間にか開店休業状態になっていて、もしかしたらオレはFrictionを見るチャンスを逸したんじゃないかと思う事もあった。Frictionは、2nd以降は実質Reckのバンドであったと思うから、Reckがその気になればいつでも再始動できるバンドのはずだけど、その名を汚さない為に、中途半端な状態でのFrictionをReckはやらないだろうとも思っていた。それが今回、ホントに偶然に、特別(臨時)編成のFrictionを体験する事が出来た。

演奏は中村達也の力強いタイコとReckの太いベースが強烈なグルーヴを作って、その上にFrictionにしてはノイジー大友良英のギター乗っているというスタイル。いかにもロックな風貌のリズム隊に比べて、あまりにも普通な大友良英。その対比がちょっと可笑しかったけど、ありとあらゆる場面でかなりの場数を踏んでいる大友良英は、少々の事では引いたりしない。近藤等則のグループでの経験や、高木完とすらセッション経験のあるReck。そして、あのBJC解散以降、自己のグループロザリオスの活動は勿論、スカパラでのパートタイムや、ジャズ系のミュージシャンとの活動も行ってきた中村達也。その3人がFrictionをやった。これはオレにとって、凄く印象に残る出来事。まあ、Frictionとは名乗らなかったけどさ。



その後、いよいよメインのContortions。前座で気持ちがヒートアップしてしまったオレにとっては、もしかしたら辛い事になるかもしれないと思ったけど、そんな心配はあのファンクビートが鳴り出した瞬間に不要になった。あのContortionsが今どんな音を出せるのか、もうメンバーも結構な年齢だし、そもそも今回のオリジナルメンバーっていつ集まったんだ?とか、ライブを見に行く事にしてから色々考えていたけど、あのファンクビートは不変だった。ミドル〜スローなファンクビートが気持ちよかったけれど、アップになるとロックビートに変わる瞬間もカッコよかった。もう少しこのグルーヴを続けて欲しいと思った瞬間、James Chanceが合図してバンドの演奏を止めて、自らの短いSaxソロで曲を締めるところがなかなか捻くれていて笑えた。本編終了後、アンコールで一曲やって、「歳も歳だし、これで終わりかな?」と思っていたら、James Chanceが一人で出てきて、ステージ上をウロウロ。もしかしてただの冷やかしか?、と思ってヤキモキしてたら、椅子に座ってSaxソロを始めやがる。

思えば去年、ここでArto Lindsayのライブも見たんだよな。そのLindsayが立っていた場所に、今James Chanceが立っているんだな、と、少し感慨深いものがあった。