Atomic

Atomicの『The Bikini Tapes』をタワレコで購入。3枚組みなんて結構なボリュームだけれど、怯まず聴いてみた。まだ一回通して聴いただけなのだけれど、一気に聴き通してしまうような出来。ピットインで見たLiveも良かったけど、ツアーでのベストな演奏を集めたと思われるこのCDは、かなり凄い演奏が詰まっている。

CDショップなんかでは、Atomic=Free Jazzみたいな説明が書いてあったりするけれど、オレにはこのグループは、Free Jazzという印象が当てはまらない。確かにソロは調性の範囲内では無いかもしれないけれど、全体に共通したトーンと北欧特有の乾いた感触が、単純にFree Jazzと呼ばれることを嫌っているように感じる。但し、それでも強烈なグルーヴを感じるし、割とオーソドックスな編成にもかかわらず現代的な音を強く感じるのは、このグループが他とは違うという最大のアピールポイントなのではないだろうか。

『The Bikini Tapes』のライナーの最後に、「Leave Stacy is Dedicated to the Memory of Steve Lacy」と、ある。去年Lacyが他界しなければ、オレはLacyのLiveをピットインで初めて体験するはずだった。その念願は叶わなかったけど、その約一年後、同じピットインでAtomicのLiveを体験して、その彼らの新しいアルバムにLacyの名前が出てくる事に、因縁のようなものを感じる。