高橋悠治・内橋和久 U9発売記念ツアー

昨日から気象庁が色々言ってたので、もしかしたら今夜は目的が果たせない?とか思ったりもしたのだけど、朝起きてみて若干拍子抜け。まあ、よかったのだけど、ちょっとしたトラブルは少し気分が盛り上がらんでもない。
今年初のピットインへの足向け。これでやっと、なんか普通な状態になった気になる。高橋悠治と内橋和久のデュオ。昨年リリースされた『U9』というアルバムのレコ発、らしい。
1st2nd、どちらも40分ほどの演奏。内橋は1stの序盤から中盤にかけて、と、2ndの中盤から最後までをダクソフォン。もちろんそれ以外はエフェクトを多用しつつのエレキ。高橋さんはピアノのみ。一見硬質なインプロが繰り広げられたと思われそうだけど、あーまー実際そういう風にも取れるかも知らんけど、ビックリなぐらいに飽きるところが無い。といって、強烈に高揚させられるところってのもあまり無い。モノ凄く知的で、でも突発的な音が連なってた。
内橋はこれまでの印象よりロックのところが殆どそぎ落とされたような、という感じで、それはらしい感じのコードが出てこなかったという事なのだけど、それでも音はやっぱ変態的。ダクソフォンは前衛ヴォーカルのようでありつつもユーモラスだし、色んな手法で発せられるエレキの音は音色の派手さを端折りつつもずっと刺激する。
その内橋の音を聴きつつ只管ピアノを鳴らし続ける高橋さん。わずかにフリージャズのニオイはあるけれど、そういう雰囲気に頼らず、ジャズ系のピアノとは違う端正さが絶え間なし。個人的には高橋さんのピアノを聴く機会は多くないのだけど、いつ聴いても「高橋さんのライブを意識しておかないと」と、思う。
3分ほどの短いアンコールで今夜は終わった。全部で過不足が全く無いインプロ。ここまでのインプロを聴く機会はあまり無いと思う。