坂田明 + 八木美知依 + 本田珠也

昨夜OLでヘラヘラしてその翌日にピットインって、ライブ観賞三連荘になるし、なんかちょっと疲れる気分だったけど、まあ1stだけでも見ようかと、足向け。
が、結局2セットとも観賞。あんなの聴かされて、1セット残して帰るなんてもったいない、としか思えんかった。坂田さん八木さん本田って、この3人での演奏は勿論、それぞれが色んな形で共演しているので、まあ、面子の新味は無い。が、見た目を変えれば面白いわけじゃない。って、言われた気分になった演奏。
正直を言うと、例えば五月末に見たアケタでのセッション。あれは凄くハードな演奏に終始した印象。ホントは違ったかも知らんけど、そういう印象が残った。数年前なら、こういう演奏こそ楽しかったのだけど、今のオレにはその手は飽きる。それが1セットだけならまだしも、同じ面子で2セットとかかまされると、これならハーシュノイズとかの方が潔いって、思う。ので、今夜もちょっとそういう感じの予感があったのだけど、やはり坂田さんがポイントなのか、一方的な演奏とは違って、テンポの面でもいろいろあって、飽きる余地無。1stの2曲目でいきなりパンクな歌唱する坂田さんとか、もうニヤニヤするしかない。2ndは最初に八木さんの歌有を持ってきて、それをフリーな展開にせずに終わらせるあたり、今夜はホントにヤバイな。と。
時々、八木さんがあまりにも飛ばしすぎて全く箏って楽器を感じる事ができないライブもたまにあったりするのだけど、今夜はキッチリらしい音があって、そこに、あの、髪を振り乱して箏に襲い掛かるようなアグレッシヴなアプローチがあって、八木さんを初見だった人がいたら多分驚いたんじゃないだろうか?って、思う。個人的には、八木さんのベストな演奏の一つだった。
して。坂田さん。パンクな坂田明はさっき書いたけど、それ以外、アルトとクラリネットを扱っていたのだけど、アルトがところどころ、Coltraneみたいだった。シーツオブなやつじゃなくて、テンポの遅いところのサックスの響き。そこに絡んだ八木さんの十七絃が余計にそれを引き立てた。
アンコール要らないってぐらい、な、気分だったけど、アンコールが始まる。なんとこれが「Lonely Woman」だった。こんな「Lonely Woman」・・・。
と、あえて本田の演奏に触れず。それはこの前の『マスプロジェクション』後、その感想のツイートを見ていて、「は?」と、ずっと思っていて、その事を書いておきたいと思ったからで、す。あの『マスプロジェクション』、予定では本田も面子だったのだけど、スケジュールのミスで参加出来なかったらしい。その事をとあるツイートで「彼が抜けたのは、正解に思う。まだ無理だろう。」と、あった。「は?」。オレはあの演奏を聴いて、これは本田以外のドラムは考えにくいな、と、思った。あの演奏に入り込めるビートは、少なくてもオレの知っている日本人のドラムなら、本田以外では無理だと思った。そしてそれは多分井野さんもそう思っていたのだと思う。だからトラを用意しなかったと思う。そのツイートした人は、本田だけじゃなくて、井野さんにも失礼じゃないか? とか書きながら、まあオレも、失礼な事は書いているよなあ。と、反省もある。が、あのツイートしたヤツ、例えば今夜の本田の演奏を聴いていたら考えが変わるのだろうか? それと、本田以外に誰ならあの『マスプロジェクション』のドラムに相応しいのか、教えて欲しい。と、思っている。嫌味じゃなくて、そのドラムを聴いてみたい。