コインシデンス‐偶然の一致‐

記すると決めておきながらすぐに忘れるのだけど、今年16本目のライブ観賞。スーパーデラックスで『コインシデンス‐偶然の一致‐』というライブ。日仏学院主催のライブで、メインはAdrien MというジャグラーとClaire Bという映像を扱う人なので、音楽のライブでは無いのだけど、そこにJim O'Rourkeの名前もあり、なんかよくわからんけど、アートなパフォーマンスとO'Rourkeの共演?とか思ってちょっと興味が薄かったのだけど、でも暇だしってことで、なんとなく足向け。
結果的にはAdrien MとClaire Bが組んでパフォーマンスして、O'Rourkeはソロで演奏という構成だった。1stがAdrien M / Claire Bで、Mのジャグリングから始まるのだけど、こういうの、まあTVなんかではよく見るけど、ライブで見るのは初めてで、で、なかなか面白い。アートな雰囲気はあるけれど、実際にはエンタメ含みのユーモアもある。失敗したようなボールの扱いから、Bの映像との共演になるのだけど、これがちょっとビックリだった。なんか3Dの様な映像。映像としての素材は擬似なボールだったり文字だったりと、凄くシンプルなのだけど、その文字なんかをMが動かしているような映像なのだけど、これ、単なる映像の再生というより、なんらかの仕掛けでリアルタイムで動いているのだと思う。その文字なんかの動きも、CG的な感じじゃなくて、すごくアナログ感があって、かなりクオリティー高い。で、それが3Dに見えてしまう。もちろんこちらは裸眼。なんか、3Dテレビみたいな仕掛けでもあるのか?って思ったのだけど、実はそうじゃなくて、割とシンプルな発想であのパフォーマンスを作っている。いや、これは、ちょっと、というか凄く、面白かった。特に期待してたわけじゃないので、モノ凄く得した気分。
2ndのO'Rourkeの演奏。これがまた、変わったやり方を・・・。というのも、今夜は縦長のセッティングだったのだけど、O'Rourkeはステージの方じゃなくて、客席の脇の壁際で演奏。ギターを持って1スパン分をウロウロしながら演奏。こういうライブなので、なんとなくギターじゃなくてEMSなんかの卓モノだと思っていたところにギターだったのだけど、でも、アグレッシヴなアヴァンじゃなくて、ノイジーなドローン。音量もそれなりに使っていたので小難しさは感じさせず、だんだんと荘厳な感じに仕上がっていく。卓モノでのそれよりも、今夜のギターでのドローンの方がやっぱ面白い。と言っても、主にドライバーで触れていたギターはギターに求めるような音とは違う音なのだけど、それを持って客の横をウロウロしながら音を発し続けるのをボーっと聴いたり、そのウロウロする姿を眺めたりしつつ、ってしていると、あっという間に終わってしまった。と言っても、1時間ぐらいは演奏していたので、あのやり方でその時間を短く感じさせるって、やっぱ、O'Rourkeのセンスはとんでもないなー。まあ、ラッキーなことに、たまたまだけど、実はO'Rourkeがウロウロする近くで見ていたので、演奏中の姿を間近で見る羽目になったりしたのだけど、といっても、まあ、今夜の演奏は運指を気にするようなものではないのだけど、音を発するためのアプローチが面白かったので、やっぱ、ついてた。ってことになる。