Steve Reich

自分のお気に入りのミュージシャンの新譜がリリースされると、というか、その予定がわかった時点で、スゲー、早く聴きたいって気持ちになる。で、当然、リリースされれば即購入する。けど、1回聴いて、そのまま2回目がないまま放ってしまったり、する。事もある。Steve Reichの『Double Sextet / 2x5』がリリースされたのは昨年の9月。買ってすぐ聴いて、で、最近まで放っていた。その時にピンとこなかった。なんとなく、もしかしたらReichの音楽に飽きたのかもしれんと思って、ちょっと寂しい気分になった。あの、コンサートに連荘で行けて、それで自分で納まったのかもしれないとも思った。けど最近になって、なんか急に『Double Sextet / 2x5』を再生。したら、結局、当たり前の様にこれに嵌る。んー、そうか。やっぱ、自分の状態って、あるな。と。なんか、好物だからってどんな時でも喰いたいわけじゃないしな。そういえば、ガキの頃はアホみたいにコカコーラ飲んでいたけど、今では殆ど口にしない。けど、ある時、欲する。何か知らんけど、二日酔いの時、妙にコカコーラが飲みたくなる。先週も二日酔いの時、久々にコカコーラを購入。多分今年初。午前中からコカコーラかます。して、二日酔いが少し楽になった。
『Double Sextet / 2x5』も多分、何かが欲した。1回しか聴いてなかったけど、なんかこの音を欲して、再生。呼ばれたんだと思う。そこから毎日再生。「Different Trains」を思い出す「Double Sextet」と、ドラムセットとしか思えないビートの入った「2x5」。どちらもミニマルなフレーズを含みながら、進む。ミニマルというとそれに終始するイメージだけど、Reichはずれを利用した初期から変化を伴っている。それが微妙かそうじゃないか、そういう違いはあるけれど、実はちゃんと進んで終わる。この間、最も純粋に音楽だと思う。最も綺麗な音の形の1つがReichによって譜面化されている。聴き耳は立ち続ける。けれど、リンク先のamazonのカスタマーなレビューではこれを「BGMのように聴くのが一番合います。」と締めている。7/8がそれが参考になったらしい。オレが見るまで7/7だった。その耳が羨ましい。こんなに聴き耳立て続ける必要を感じる音楽をBGMとして扱えるだけの音楽への一方的な執着心に、嫉妬を感じる。もちろん、嫌味、だけどな。

Steve Reich 『Double Sextet / 2x5』