The Slits

Ari Upの訃報以来、Slitsの再生回数が上がってしまった。このバンドの微妙な立ち位置は他には無いよなあ、とか、思う。Wikiではポスト・パンクとかにジャンルされているけど、なのでPop Gourpなんかと同じカテゴライズみたいになってしまっているけど、でもPGってやっぱロックで、そこにアヴァンとダブの手法が入り込んだ性急なイメージなんだけど、Slitsはスピードを上げる事に興味が無かったというか、なのでポスト・パンクとかという括りはちょっと違うんじゃないかなあとか、思う。レゲエの方がしっくりくる。ドラムとかギターとか歌とか、確かにレゲって括れないかも知らんけど、いや、ギターもドラムも時々レゲだし、何よりこのベースラインはレゲ。Sex PistolsとClash、それのポストなPop Groupの間がSlitsだと思う。他にここは見当たらない。ポスト・ポスト。「ロックじゃなければなんでもよかった」とか言っている割にどう聴いてもロックなWireに至っては、ポストでもなんでもないな。という事で、MP3にする時、どうしてもジャンルの設定を迫られるのだけど、SlitsはReggeにしたくなる。
でもってAri Upの唯一のソロ作も聴いてみて、こっちは打ち込みも混じったカッチリした音で、派手で、今時。なんか全体的にMissy Elliott。でもこのアルバムで一番面白いのは、ボーナス的な扱いの「Me Done (Vocal Only Version)」だったりする。終盤、ヴォーカル・オンリーじゃねえし。


The Slits 『Cut』

The Slits The Return of the Giant Slits』

The Slits 『Trapped Animal』

Ari Up 『Dread More Dan Dead』