2010 FIFA World Cup 決勝トーナメント 3位決定戦 ウルグアイ 対 ドイツ に 備えようと思ったのだけど、スカパーでしかやらんのか。ちっ。

ということで、いよいよ4年に1度の大きな祭も終わりに近づいた。3位決定戦は皮肉な試合だれど、ここでは多少肩の力の抜けた状況をベスト4に入るほどの力量を持ったチームが戦う。なので、どうでもいい試合でありながら、実は結構見ごたえがあって面白いのだけど、まあ仕方ない。
そして控える決勝。オランダ対スペイン。昔から両国の代表を知っている人達にとって意外な組合せ。両チームとも強い代表チームを作りながらW杯の優勝には縁がなかった。なのでどっちが勝っても初優勝。8番目のW杯優勝国となる。もちろん、心情としてはオランダに勝って欲しい。だけど、サッカーとしての面白さは、今の両国ならスペインに分があるので、サッカーを好きな立場では、スペインが勝つという事がふさわしい気がする。
スペインが何故、オランダ代表ファンのオレまで否定できないチームを作れたか?は、自国のリーグに大きく関係する。リーガ・エスパニョーラはサッカーのおける主要リーグの1つで、そこのFCバルセロナは、今、最も注目される、憧れられるチーム。バルサのようなチームを作りたいという事を口にするサッカー関係者は多い。それほどバルサのサッカーは魅力的なのだけど、そのバルサを土台にした代表チームがスペイン代表。代表チームは良質の選手を集めてきてもクラブとは違って時間が少ないので、思ったようなチーム作りをする事は難しい。だけどそのクラブチ−ムをベースにした代表チームを作れば、戦術理解などに時間をかける必要の無い、揃ったチームを作る事ができる。それが74年W杯のオランダ代表であり、今回のスペイン代表。ここから考えると、ブンデスリーガが好調なドイツがベスト4まで進んだのは必然で、今最も人気のあるプレミアリーグも、実は盛りが過ぎたのかもしれない。じゃあ、チャンピオンズリーグを制したインテルのあるセリエは?となるけれど、イタリアにはあまりにも攻撃のタレントがいない。それでも時々、バッジオデルピエーロの様な優れた選手が出てくるけれど、全般的にイタリアのサッカーにはセクシーが無い。
そしてオランダのエール・ディビジは、そういう主要リーグに選手を輩出するリーグ。良質な選手を作ってはそれを他国に移籍させて利益を得るという事を繰り返す。その結果、時々強いクラブチームは出来るけれど、ヨーロッパを制するのは稀。そしてそれが、74年にアヤックスを土台に新しいサッカーを作り上げた状況とは異なったチーム、まあ、南米のブラジルやアルゼンチンと近い状態でチームを作る事になって、付け焼刃的なチームが出来上がる。それでも優勝したいという気持ちが強まった結果、今大会のトレンドだったインテル的なチームでここまで勝ちあがった。インテル的なチームとは何か?なんて今更言う必要も無く、堅守とカウンター。モウリーニョのサッカー。これは素材さえあれば時間が少なくても作り上げやすいという事なのだろう。今回のオランダ、ブラジルは、攻撃にタレントがありながら、モウリーニョする事で堅いチームを作り、その結果、決勝にオランダが残った。