ROVO TOKYO Session

ある時まで今夜はピットインで小川紀美代さんのライブを見るつもりだったのだけど、思うところがあって行かない事にした。だけど何か見るつもりだった日に何も見ないのもつまらない。何かみたい気分。で、この間のBrassticksのライブのチラシにあったROVOのライブに行くことに決める。前に見たのは『Condor』のツアーの時で、それが唯一だった。あれは06年12月か。結構経つ。



場所は鶯谷東京キネマ倶楽部というところ。全く知らない。東京キネマ倶楽部だけじゃなくて、鶯谷を知らない。そういえば前のROVOのライブ時も、初新木場&スタジオコーストだった。そういう縁。

鶯谷は渋谷から山手線でほぼ反対側。遠い・・・。着いてみて少し驚く。この駅の雰囲気はなかなか都内では味わえない。南口から出たのだけど、とても山手線の駅の出口周辺とは思えない。味があっていいかも。

東京キネマ倶楽部は古いビルの5〜6階。新宿にあった頃のリキッドルームと雰囲気が似ている。



今夜は即興的な演奏という事で、ROVOの面子に加えて主にヴィブラフォン高良久美子と、主にスティール・パンの大野由美子が加わる。1stはその2人の音を前に押し出すような場面が印象に残った。手探りの音数の少ない序盤からROVOらしいリズム、そしてまた音を間引く。言ってみれば即興演奏でよく聴かれ形ではあって、要するにオレには聴きなれた展開。これがどうもダメなヤツにはダメらしく、リズムが消えると途端にトイレに向かったりタバコ吸いに行ったりという人の流れが出来る。その流れに気付く位置で聴いていたので、ちょっとオレの集中力も減る。

休憩を挟んで2nd。1stの反省から聴く場所を替える。1stは階段の近くにいたのだけど、今度はバーカウンターとかロッカーのある側。こっちに来ると視界もかなりあって結果的に正解だった。

その2ndは、「これってROVOの曲じゃない?」と思うような演奏。演奏の最初、ステージ中央の前方に金物を散らしてそれを芳垣安洋岡部洋一高良さんがリズミカルに鳴らす。ここからROVOというバンドの即興である事がハッキリする。ROVOを聴きに来ている客をはぐらかさない。大野さんも途中からベースを弾いて原田仁とWベース状態になるし、ツインドラムは相変わらず。益子樹勝井祐二ら上モノも賑々しい。とても即興とは思えない完成度。

アンコールは、演奏後勝井が「ROVOで最も短い演奏だった」と言っていたのだけど、ここはちょっと縦ノリもあって、個人的にはこの路線をもう少し聴いてみたい。



そういえば終始抑えている印象になった山本。アンコール時も終盤は手を休めていて、そろそろ演奏に加わるのか?と思ったら演奏が終わった。「あれ?」という顔の山本。笑わしよんな。