大友良英 & 高嶺格 出版記念 BIG & HIGH

今年2本目のライブ鑑賞も大友良英絡み。『大友良英のJAMJAM日記』という本と高嶺格という美術家の『在日の恋人』という本の出版記念のイベント。イベント系は苦手なのだけど、まあ、たまにはいいかと。スーパーデラックス。かなりの集客だった。



1stセットはゲスト扱いの二階堂和美によるソロ演奏。この二階堂和美という人の名前はよく目にしていたけれど、録音物も含めて音を聴くのは今夜が初。期待。

その二階堂和美はステージに来るなり謝罪。ライブの開始が19:00という情報と20:00という情報が出回ってしまったらしく、結局20:00開始になった。それで19:00に合わせてきていた客に対する謝罪。SDLXのHPや大友のブログなんかでは18:30開場19:00開演とあるのだけど、どうもフライヤーが20:00開演になっていたらしい(?)。オレは19:00開演に合わせてほぼその時間に来た。だから1時間待ち。だけど、18:30の開場に合わせて来た人もいるはず。その人たちは1時間半待ち。それに対する謝罪が、今夜のゲストの二階堂和美ってのはおかしくないか? 主催者=責任者が謝罪するべきのはず。



気を取り直して。



二階堂和美は弾語りスタイルでの歌唱。変声も使って歌うタイプ。セットを通してその歌を聴いて、器用な歌い手である事はよくわかった。だけど今夜は当然の様に立見だったので、セット途中からのスローペースの歌は正直言って聴いているのがしんどかった。

2ndは高嶺のパフォーマンス。何をやるのかと思ったら、椅子に座ってなにやら話し出す(聞こえない)。どうも身内向けの内容だったらしく、大うけの連中と、オレの様な外様のポカーンが入り混じる。まさかこれで1セットやるのかと思ったら、結局は『在日の恋人』を朗読すると言う。そして本を読み出す。緊張しているのか、何を言っているのかよく聞き取れない。困ったなと思っていたら、ナジャというパフォーマーが登場。オペラ歌手の様なパフォーマンス。一気に客の目を奪う。そして引っ込む。高嶺が朗読を続ける。緊張がほぐれたのか、今度はちゃんと内容が聞き取れる。そしてまたナジャが・・・、というパターンの繰り返し。このナジャというパフォーマー、ドラッグ・クイーンらしいです。今の時点で細かく書く気力は無いけれど、かなり面白かった。高嶺も最後に・・・、止めときます・・・。

3rdは大友のソロ。SDLXのHPにはギターソロと書いてあったので、それを期待しての今夜。だけど、なんと今夜はシンガー大友。最初はエレキを使ったノイジーな展開も持った演奏で歌い、その後はアコギに持ち代えて歌う。1曲洒落でというノリではなく、4から5曲ほど、歌。ここで思わず笑ってしまいそうになるオレは空気が読めてない。いや、これからもガンガンそれで行ってください。いや、ごめんなさい。ウソです。ここで味を占められて、今後歌だけのライブとかになるとちょっと足を向けにくいです。だけど2曲ぐらいなら、面白いと思います。

大友の味のある歌唱のあと、二階堂和美が加わる。で、このセットで二階堂和美に対する考えが変わる。この人の声は率直で透明感があって、濁ることなく声を伸ばす事ができる。それがこの人の最大の持ち味であるはずで、曲名は全然覚えていないけれど、あまりの伸びやかな声に胸が掴まれる場面があった。声色を変えて歌う癖を持っているみたいだけど、それはギターの弾語りで歌うというスタイルでライブをこなす為に変化として必要なのかもしれないけれど、だけどこの人がそれを止めて、あの伸びやかな声だけで歌えるようになった時、こういうサイズのハコで見る事の出来ない立場に変わると思う。

この後、高嶺も加わって歌った。全体としてはやはりイベント色の濃いライブだったわけだけど、ナジャのパフォーマンスは面白かったし、二階堂和美の歌にやられたし、大友の歌唱にも・・・。