Vincent Trans Logic

昨夜はピットインで芳垣安洋2daysの2日目。最終日。Vincent Trans Logicというユニット名での演奏。見てお分かりの通り、Vincent Atmicusを基調にしたユニットで、演奏された楽曲はVAで演奏された事のあるもの。面子的にはベースの水谷浩章とヴァイオリンの太田惠資がマイナスされ、10月に日本に来たばかりのチューバのCideon JucksとONNでおなじみなスティール・パン等々を担当する高田陽平が加わっている。なので人数的にはVAと変わらない。

という事で、やはりVAのメンバーではない2人の音がどういう変化を呼ぶのかが着目点であり心配な所。というのも、アコベが消えてチューバがそれを担当するというのは、アコベが居ればその音の響きだけでも聴かせどころがあるのに、オレはチューバという楽器にそういう音色を感じない。だから楽器編成上、チューバがベース音を担当する事に不安を感じた。だけどそれはオレの勝手な不安をよそに、VAとは違った一面を見せる。水谷のアコベがあるVAは、その音がジャズの要素をVAに持ち込んでいた。チューバの音色はそれを感じさせない。VTLというユニットは、VAからジャズをそぎ落としてしまったように聴こえた。さらに高田のスティール・パンはどうしたってカリブな響き。そういう音作りになったVTLは、なんか、割と、いける。アコベの無い状態は若干音が緩く聴こえるのだけど、それが良い方向に作用していて、久美子ねーさんや高田の音が漂うように響いてくる。それが気持ちのいい音になっていて、そこに芳垣と岡部のパーカッションがはちきれんばかりに音を放つと、VAには無いコントラストが現われてくる。