藤井郷子カルテット

郷子ねーさんの新作『Bacchus』はカルテットによる作品。これももう購入して三ヶ月も経っているのか・・・。でもつまらなくて放っておいたわけじゃなくて、それどころか困ったらこれを聴くという状態が続いていた。

収録曲は初録音ばかりだろうか? と、?になっているのは耳に覚えのある曲があるからで、それはライブで耳にした曲か、或いはキャッチーとも言えるとっつき易さがあるせいなのかもしれない。それでも勿論、演奏そのものの持つ圧力みたいなものは今までの様に引きつけるものがあり、それらがまるでコントラストの様に同居している。完成度という点では、恐らくこのカルテットで最も優れたものかもしれない。だけどというか、だからというか、少し不安もある。なかなか合わない部分を楽しんで演奏していたはずのこのバンドが、いくら録音物とはいえここまで来てしまった事は、郷子ねーさんの構想に入っていたのだろうか? このままこのカルテットの完成度をより高めていくのか、何か危険分子を加えるのか、それとももっと他の方法をとるのか、『Bacchus』という作品はそういう事を考えさせるものがある。









藤井郷子カルテット 『Bacchus』