Black Sheep

今でもあるのかどうか知らないけれど、A Tribe Called QuestやDe La Soulが属していたネイティブ・タンとういポッセがあって、Black Sheepもそのポッセの一員だった。ATCQやDe Laはいかにも個性的で、すぐにネームバリューが上がって行った感があるのだけど、Black Sheepはヒップホップを注意して聴いてるような連中でなければ、その名前を知る事は難しかったと思う（もちろん当時の日本での話）。ATCQはともかく、De Laがあまり好きでは無いオレは、ネイティブ・タンにそれほど興味は無かったのだけど、Black Sheepはネーミングに引かれてその音を聴いた。ATCQやDe Laほどのわかりやすさは無かったけれど、渋めなトラックはなかなか好みで、1stの『A Wolf in Sheep's Clothing』、2ndの『Non-Fiction』共に、わりとよく耳にしていた。その後このユニットは解散、99年にはその片割れであるDresがソロで『Sure Shot Redemption』をリリースするも、あまりパッとせず、残念な気持ちになった。そしてタワレコで『8wm / Novakane』がディスプレイされているのを見て知ったのだけど、そのBlack Sheepが突然の復活（といっても、結局はDresのソロ状態のようだけど・・・）。理由はどうであれ、これが聴きたくならないわけは無く、大人しくレジに持っていった。

ネイティブ・タンに限らず、当時のヒップホップにおいても渋い音作りだった印象のBlack Sheepだけど、『8wm / Novakane』はそういう印象は無い。トラックは恐らくサンプリング・メインだと思うけれど、結構派手に音が鳴っている。さらに楽曲も思ったよりキャッチーで、一度聴くと耳に残るようなものも多数。うーん、オレの昔の印象は間違っていたのか？　古い物を引っ張り出してみようかと思ったけれど、探すのが大変なので中止。でも、派手とはいっても音が硬いという印象じゃないし、ベース音もウザく無いし、絶妙なセンスで作り上げた印象。そしてラップがイメチェンしていて、元々はネイティブ・タンらしいとでもいえばいいか、ちょっととぼけた感じだったりしたのだけど（トラックも多少そういう印象はあった）、そのイメージとは異なり、結構カッコいいラップになっている。元々のそういう部分は、片割れが担っていたのだろうか？

ちなみに日本盤には対訳が付いていない。なので輸入盤で十分だと思うけれど、これ、今現在海外盤は見当たらない。









Black Sheep 『8wm / Novakane』