Tisziji Munoz

昨日のOn FillmoreはJim O'Rourkeが日本で作ったレーベル、社会人(この辺の間違ったセンスがいかにもアメリカ人・・・)の第二段のリリースだった。という事は第一弾があるわけで、それはTisziji Munozというギタリストのの『Love Always』。

このMunozについては全然知らない名前だったけど、O'Rourkeのレーベルからのリリースという理由だけで気になり、そしてPharoah Sandersの70年代のグループに参加していたという事で手にした。簡単に言えばフリー・ジャズのギタリストと言えると思うのだけど、『Love Aways』を聴いてすぐに思ったのはフュージョンで、それでその出自とオレの感想が重ならなかったので、この作品の事は保留にしていた。

MunozはSandersのグループに参加後、消息がつかめない状態だったらしい。当時はソロ名義でのアルバムも出していたようだけど、フリー・ジャズの世界は、突如としてシーンから姿を消すという事は珍しいことでもないと思うのだけど、Munozはそれから復活し、近年はマイナーなレーベルから作品をリリースしていて、それをコンパイルしたのが『Love Aways』。だからこてこてなフリー・ジャズが聴こえてくると勝手に思っていたけれど、ここで単音で弾きまくる姿はオレにはフュージョンとして聴こえる。この、音が明るい地平に向かって駆け抜けていく感じは、夜よりも昼、狭いハコよりも野外のコンサートなんかで効力を発揮しそう。なんとなくJohn McLaughlinがオレの頭には浮かんでいたのだけど、Santanaに通じるなどと書いているのを見て納得。確かにギターの音はMcLaughlinよりもSantanaに近い。だけど、とことんまで単音で音を紡ぎ、「しっかし・・・」と思わせるところはMcLaughlinやSantanaでは得られない高揚感があり、この感じはPat Martinoを聴いている時の緊張感を感じる。









Tisziji Munoz 『Love Always』