Adriana Evans

ニュー・クラシック・ソウルだったかネオ・ソウルだったか、90年代の中頃にそういうものが流行った事がある。この場合、オレがすぐに頭に思い浮かぶのはD'AngeloとかErykah Baduで、どっちもよく聴いていた。Adriana Evansは、そこまで手を染めている余裕も無く、というか、1stの『Adriana Evans』のジャケットにイマイチ惹かれるものが無かったのでスルーを決めていた。だけど、シングルの『Love is All Around』のジャケットが気にってしまい、シングル(CDだけじゃなくて12インチも・・・)を購入。ついでにアルバムも購入してしまったのだけど、音はそんなに印象の強いものではなかった。それが3年前、久々の新作『Nomadic

』をなんとなく購入。トラックナンバーで言えば2曲目になる「Remember the Love (Samba Soul Mix)」を気に入ってしまい、アルバム単位で結構何度も聴いた。

Adrianaの音楽性は、ライトな感触を持ったアフロ・アメリカン音楽だと思う。コテコテの黒さは無く、ラテンのノリやその表層を上手く取り入れ、洗練されたものという言い方が出来る。簡単に言えば小洒落ている。だからいわゆるアフロ・アメリカンな音を好む向きからは、あまりいい評価をもらえないだろうし、オレが1stを買った頃は、それをあまり好んでいなかったのもそういう面が大きい。だけどここ数年、R&Bな音をあまり好まなくなり、そういうものに興味を引かれなくなってきた事と、ラテン系の音を好んで聴くようになった事が作用して、Adrianaの音楽は、個人的にかなり好ましいものになる。



いろんな事情により、1stから2ndまでの間が7年もかかった事を思えば、3年という短い期間でのリリースになった『El Camino』。相変わらずジャケットはイマイチだし、日本盤の煽りシールはあんまり感じのいいものでは無いけれど内容は文句無し。というかこれ、3枚のアルバムの中で最も完成度が高いと思う。もうほとんどアフロ・アメリカンな音を聴く感じではなくて、煽りのシールの様に、これからの季節の午前や昼下がりに似合う音楽。









Adriana Evans 『El Camino