Vermilion Sands

関西のアングラな音楽シーンというのは、Boredomsを筆頭に、かなりバラエティに富んだものだと思うけれど、個人的にはその現場に接する事は無いので、ある程度整理された情報でなければなかなか知る事はない。

Vermilion Sandsも全然知らない名前だったけれど、関西アングラの重鎮が集まって、ハードコアなダブをやっているという事に引かれ、手に取った。

面子を見ると元ゼニゲバとか色々だけど、個人名は全然知らない人達ばかり。まあ、いいかと思い、とにかく新作『Reverb Overdub』を聴くと、確かに激しい音の塊が聴こえてくる。レゲエなリズムだし、トリップ度も高い。ギターはガシャガシャとリフを刻む。それで思った。これはMilesだ。またかよと思うかもしれないけれど、これはエレクトリック期のMilesの音に近い。とくにラッパがユラユラ音を載せると、まんまMiles。もちろんリズムは違うけれど、でもこれはMilesを聴くのと同じ気分で聴ける。似ていると思うのはオレだけかもしれないけれど、でも、これはオレとしては褒め言葉。ライブで見るとかなり面白そう。だけど、単独はなさそうなので、見る機会はないかも。



結構気に入って聴いているのだけど、一つ気に入らないところがある。それは歌というかポエトリー・リーディングというか、とにかくそういう部分。声自体は悪くないけれど、言葉がまんま町田町蔵。関西弁でああいうことをやれば、町蔵にしか聴こえない。これだったらホンモノの町蔵が入った方が面白い。言葉も町蔵本人が書けば、一見きつい言葉もユーモアを持った毒として機能する。英語で歌っている部分は悪く無いので、あの関西弁の語りは要らなかった。









Vermilion Sands 『Reverb Overdub』