Greg Malcolm / 秋山徹次 (Tetuzi Akiyama)

興味はあったけれどあまり積極的に耳にしていなかった秋山徹次。恐らく手持ちの音源はErstwhileから出ているGunter Mullerとの連名作のみ。Erstwhileの性格上、微音弱音なものだったせいで、秋山もそれ系の音のみを使うギタリストとして勝手に認識していた。Greg Malcolmという人は全く知らないけれど、まあ、この人もきっとそういうギタリストなのだろう。なんかいい加減な憶測だけど、それはそれで良いかと思い、なんとなく手に取った『Six Strings』。最近は微音弱音もあんまり聴かないけれど、たまにはいいかと。

のだけど、オレの予想は大間違い。ノイズどころか、この二人が手にしていたのはアコースティック・ギター。それも即興という感じではなく、曲を演奏している。さらにそれが思ったよりもメロディアス。ちょっと予想外の展開だけど、これが結構気持ちの良い音で、音の残し方なんかに音響派の感触は残っているけれど、これはなかなかなかなか人当たりが良さそう。小洒落たところでかかっていても問題無い。ちょっとナめてました。ごめんなさい。









Greg Malcolm / Tetuzi Akiyama 『Six Strings』




ちょっとナめてたので、あわてて秋山のソロ名義の作品を探しに行き、『獄門逝きの十三号線、雷舞院刀狂』を購入。これは結構評判の良いものだったけれど、タイトルとかジャケットの狙い過ぎな感じが気に入らなくてシカトしていた。秋山のソロで、一応微音系じゃないらしいという事を確認して購入。で、これがまたカッコいい。前半の、微音弱音系だからこその音響的な感じは『Six Strings』に通ずるものがあるし、後半のエレクトリック・ブギーは、ロック好きが喜びそうなスタイルの演奏。しかも、ミニマルなフレーズの繰り返しがあったりして、Reichの「Electric Counterpoint」なんかも思い起こさせる。これはかなり良い・・・。



ちなみに『Six Strings Samurai』という映画も中々面白いので、機会があればDVDでも借りてみて下さい。秋山とは何の関係も無いけれど。