Friction

さらに続けて今度は、やっと再発された『Replicant Walk』。今回の再発にあたってジャケットが変更されている。このアルバムは、Frictionのオリジナル・アルバムとしては一番入手しづらいものだったんじゃないだろうか? 89年のリリース以降、再発された事もあったようだけど、決して人気があるタイトルではないので、そんなに数が出回ったとも思えず、中古でもあまり見かけた事は無かった。という事でこれを待ち望んでいた新めのファンも多いと思うけれど、実はこのアルバム、Frictionのアルバムでは最も地味な印象がある。オレはこれが出た時にはすぐには買わず、『Dumb Numb CD』を購入して、その後にやっと購入に至ったので、正直な話をすれば『Dumb Numb CD』の強烈な音に比べて『Replicant Walk』は期待外れだった。そのせいでこの作品を聴く時にはあまり気持ちが入らず、勝手に「Friction版AOR」と決め付けていた。実際、Frictionにしては珍しくキーボード(シンセ)が入っているし、Roli Mosimannという客観的な立場のプロデューサーを使っているせいか、1stの『Friction』と近い印象もある。だけど『Friction』は色々物議をかもし出し、本来のFrictionよりも大人しく聴こえたという事がかえってその印象を強めた感があるのだけど、『Replican Walk』はドラムも打ち込みを使っている部分などがあった為、時代に即した音と言える部分が少しチープなイメージにもなっている。

そんなこんなでFrictionのアルバムでは一番聴いていないものだけど、今回聴きなおしてみて、やっぱり大きく印象は変わらない。リマスターによっていくらか音の棘が出てきたけれど、ちょっと高域が強すぎで、音がギスギスいている気がする(他のアルバムと続けて聴くとよくわかる)。という事で、このアルバムのリマスターは、あまり気に入っていない。ただし曲のクオリティーは悪くなく、「Gapping」とか「Replicant Walk」、そして最初期からの曲でありながらやっとアルバムに収録された「Kagayaki」等は、個人的にはFrictionの楽曲の中でも最も好きな部類に入る。それと、「Friction版AOR」というのは所謂AORという意味ではなく、他のアルバムより聴きやすいという事をそういう言い方にしているだけで、Frictionという個性はこのアルバムでも相変わらず。









Friction 『Replicant Walk』




Friction the Book』でReckが『Replicant Walk』は海外(Enemyレーベル)で初めて出たFrictionのアルバムだと言っていて、その時はアナログ盤だけのリリースだったような事を言っているけれど、それは間違い。何故ならオレの持っている『Replicant Walk』はEnemyレーベルのCDで、だから『Replicant Walk』は海外でCD盤も発売されていた事になる。







どうも最近訃報が多い。特に心が痛んだのはクラッシャー・バンバン・ビガロ。あの愛すべき「すっげー動けるデブ」が若くしてこの世を去ったとは、、、残念。

ご冥福をお祈りします。