鬼怒無月 / ナスノミツル / 外山明

演奏力のあるミュージシャンの演奏は、CDよりもライブの方が断然いい。その中でも特にドラムは、ライブとCDでは全然違うものになる。だから、名のあるドラマーのライブは1度見てみたいと思うようになってきた。

昨夜のピットインは、鬼怒無月主導のセッションで、ベースにナスノミツル、ドラムが外山明という布陣。鬼怒とナスノは今までに何度かライブに接しているけれど、外山は今回が初めて。色んなところで目にする名前なので、1度ライブで見てみたいと思っていた。

ライブは鬼怒の相変わらずのMCで始まる。それによると、前日の夜に割と近くに住むナスノに譜面を届けに行ったという事なのだけど、ライブの前日に譜面を受け取って翌日にライブで演奏するのか。やっぱ半端無い・・・。そのナスノの演奏は、いつもの事ながら凄い。重低音でブンブン言わせたり、低音を捨てて細かいフレーズで音を敷き詰めてみたり、エレクトリックな音を使って音に色気を付ける。

鬼怒のスキルも既に承知しているけれど、昨夜はオレが見た中で一番激しいプレイだった。「ああ、この人もここまでブチ切れプレイするんだな」と、変なところに感心。

で、初めて見た外山。彼のドラムセットは、基本的なセットならば、2つ並んでいるはずのタムが1個ない。シンプル極まりないセットだけど、バスドラが妙に奥行きのあるヤツで、何となく異様・・・。だけどそのプレイは、シンプルなセットでも、多彩な音をたたき出す事が出来る事をわからせてくれるものだった。手数が多く、スピード感も問題なし。そして、結構挑発するタイプで、この叩きに煽られて鬼怒のプレイも熱くなったのかも知れない。




鬼怒は相変わらずMCが面白い。ライブ初っ端も、ナスノと外山が喜多見という駅が最寄り駅だという事で、「喜多見ブラザース」と言ってみたり、Led ZeppelinはだいぶHowlin' Wolfからパクってると言ってみたり(Rolling StonesはMuddy Watersからパクっている事も今更言っていた)、内橋和久に「Pat MethenyとYesのSteve Howeは似ている」と言われ、内橋はギターの事を言ってるのに何故か顔の事と勘違いし、「似ていない」と喧嘩になりそうになった話とかしだすし・・・。