eRikm

あのHat HutからFenneszとのコラボレート『Complementary Contrasts』を発表していたり、ErstwhileでもJerome Noetingerと『What a Wonderful World』を出しているのがこのeRikm。どちらのアルバムも気に入っているオレは、彼のソロアルバムがディスプレイされているのを見て、手に取って、棚に戻して、その日は購入せずに何故か翌日に購入した。

サウンド・スケープという言葉のイメージそのままが、『Sixperiodes』の音だと思っていい。1曲目の「Les Paesines」は微音の状態から少しずつ音量を上げ、気がつくとノイズに塗りつぶされた状態を作り上げ、そこからまたフェイドアウトする。本来の意味でのスクラッチノイズの様な音に電子音を乗せ、ピアノの音を加えてさらにCDの早送り時に発生する「カチチチチチ」という音に変化させた2曲目の「Slide」。3曲目の「Alliterations」は、低周波から高周波に音が移行する。いくつかのループを使いながら、その上で自由な音を走らせる4曲目の「Paris qui Dort」。2曲目と同一タイトルの5曲目は微音に終始する。同じく2曲目及び5曲目と同一のタイトルの6曲目は、たんたんとした音の上に乗る音のアクセントが強い。

全てのトラックがそれぞれの表情を持っていて、甘い音は少ないけれど、何故か時々Fenneszの様なリリシズムを感じる。