Pearl Jam

新作が出ると聞いて、「まだ続ける気なのか」と思った。元々Pearl Jamには少し懐疑的な気持ちを持っている。グランジというシーンにおいて、ある意味Nirvana以上の成功を収めたPJだけど、Nirvanaの様にオレの脳裏に刷り込まれるような音を発した訳でもなく、Soundgardenのように重量級でもなく、Mudhoneyの様に信頼できる訳でもない。売れるという事は、受け入れられやすい音だという事だろうけど、PJのそれは、オレの好みではなかった。だから新作にも過度な期待もなく、今更購入しなくてもいいと思っていたのだけど、新作のタイトルが『Pearl Jam』という、セルフタイトルになった事が引っかかり、ここにおいてセルフタイトルを選んだという事に何か意味があるのか、それが気になってしまい、手を出した。

しつこいけど期待はゼロに近かった。だけどこのアルバムは、オレがロックに期待するものの幾つかを持っていた。

オレはアルバムを一通り聴き終わって、その直後にまたすぐに聴き返すという事は、ロックの様な構造の音にはあまり無い。ジャズやアヴァン系の、1度聴いただけでは全然掴めないようなものじゃなければ、1度聴いて大体把握してしまうと、気に入ったもの以外は、そのまま2度と聴かなくなるという事も多々ある。だけどこのアルバムは、ホントに久しぶりに、聴き終わった直後にもう一度再生した。



今のオレは、このアルバムが手元にある事を嬉しく思う。