Calexico

いい感じだった頃のRy Cooderが『Colossal Head』なLos Lobos(というかLatin Playboysか?)と共演した感じのバンド、というのが、Calexicoに対するオレの勝手なイメージ。よく言われるように映画的(サントラ的)で、似非メヒコで、乾いていて、という音が彼等の個性だった。ところが新作『Garden Ruin』は様相が違う。珍しく全曲歌入りで、いわゆる「ソングオリエンテッド」なつくりになっている。確かに今までのように、『21grams』のような景色が思い浮かぶ音ではない。歌が主軸になることによって、その分、聴き手の想像力を限定してしまっている。だけど、ちょっとした音の響きはやはりCalexicoらしさを感じるし、なにより歌(楽曲)の完成度が高く、「望んでいたものと違う」と、クレームをつけられる余地は無い。

どうしてもインストなCalexicoしか認めない向きには薦められないけれど、Calexicoというバンドそのものに惚れたのならば、この作品の音を感じることができるはず。