Tropicalismo Argentino

アルゼンチン音響派といわれるシーンがあるらしく、数年前からタワレコなどで紹介されているのを度々目にしていたけれど、聴いてみたい気持ちはありつつもなんとなく避けていた。ポップで紹介されているものであたりをつけてみればいいのだろうけど、どれも今一つ押しの弱い感じがして、試聴にも至らない。そんな状態が長く続いたけれど、この間なんとなく目に付いた『Tropicalismo Argentino』というコンピに手を出してみた。

「いったいアルゼンチン音響派ってどんななのさ?」と思いながら聴いてみたこのコンピ。聴く前はなんとなく電子音の嵐みたいなものを想像していたのだけど、これが意外にもあっさりした今時のポップス。今時とは言っても、打ち込みに生楽器の音が被せてあるようなものは、すでに古臭さまで感じる。それでも繰り返し聴いていると、ここでいう音響派というのはシカゴのシーンではなく、日本のCorneliusBuffalo Daughter等に感じる音響的なもの、アグレッシヴさよりもポップさを感じる方の音に親近性を感じた。そういう音に、アルゼンチンの土着的なメロディーが生かされていたりするところが、アルゼンチン音響派の個性という事なのだろうか。もう少し聴きこまないと分かったような事も言えないのだけど。