ECD / イルリメ

オレは元々日本のヒップホップという音楽が好きだった。ちょっとDJ Krushは外しておくけど、日本語でのラップをする連中のリリックがなかなか良くて、今現在のシーンを作り上げた連中がドンドン出てきた時のヒップホップは本当に刺激的だった。個人的にはMicrophone Pagerが一番カッコよくて、それ以外にもKing Giddraやブッダ、Lamp Eye、キミドリ、Shakkazombie等々、色んなスタイルのヒップホップがスタイルにとらわれずシーンを作り上げていくさまは刺激的だった。そして個人的な決定打、Tha Blue Herbのシーンへの登場で、日本のヒップホップというものがあっという間にその分野を強固にしてしまったと感じた。ところがその後、なかなかそれまでの様にそのシーンへの興味がわいてこない。正直に言えば、Tha Blue Herb以降に出てきた連中の音には何も惹かれるものがない。Tha Blue Herbという存在が、シーンが成熟するにはあまりにも早すぎたのかもしれないと思う。まあ、オレは今更無理にそういう音を追いかける必要は無いし、今でもオレが気に入った連中の音を少しだけ聴いていればいいかと思う。

日本語のヒップホップという意味で、一番最初に面白いと感じたのはECDだった。Major Forceから発売されたアルバムを聴いて、そのリリックに惹かれた事は大きかった。ECDについてはこのBlogに書いた事があるので細かい事は省くけど、そのECDの活動は、現在のヒップホップシーンとどれ位かかわりがあるのか、オレにはわからない。だけど今のECDの音は、明らかにそれまでのヒップホップには無かった音になっていて、だからこそなのかもしれないけど、数少ない興味の対象としてオレの耳にずっと居てくれている。

そのECDがイルリメというラッパーとの連名で『2Pac』を出した。シリアスでポップ。厳しいけど緩い。他のヒップホップと比べる必要も無く、相変わらず刺激的。