Jaco Pastorius

Jaco Pastoriusの『Live in New York』というアルバムがレコファンにあったので買ってみた。これはWord of Mouth Bandで、Kool Jazz Festivalに出演した時のライブ録音らしい。あの『Twins』ほどではないけど、Jacoのオーケストラらしい音で期待を裏切らない。



こういうものに手を出すと、まるでオレはJacoファンのように思えるかもしれないけれど、実際は、Jacoの音に反応できるようになったのはここ一年ぐらいの事だったりする。とにかくこの男、あまりにも伝説的な存在すぎて、その話のインパクトが強すぎて、初めて音に接するまでの妄想が膨らみすぎた。オレが始めて聞いたJacoの音は、WRの『Heavy Weather』。これ聴いた時、頭の中は「???」だった。「これのどこが凄いのさ?、というか、WRは普通のフュージョンとは違うって評判だったのに、WRこそ正しくフュージョンのイメージなんだけど?」これがオレのWRの印象で、Jacoの音なんて、それがどうこうという感想すら浮かばなかった。その後、Jacoのソロを聴かなければこの男の凄さはオレにはわからないんだろうと思い、『Word of Mouth』を購入。そのアルバムの音に感じる事の出来なかったオレは、セルフタイトルの1stを購入。そして、その後はJacoへの興味は薄れてしまった。それでも「ベースのJimi Hendrix」と称されるこの男の音が理解出来ない事に我慢の出来なかったオレは、シリーズで発売された『Live in New York』の何枚か、『Honestry』、『Black Bird』なんかのアルバムを購入しては首をひねるという日々が続いた。そしていつの間にか、Jacoへの興味は本当に消えてしまった。

そして一年ほど前、とある事がきっかけで再びJacoの音を聴いてみた。手元に残ってたのは、WRのアルバムとJacoの1st。そして、ふとJacoの音に気が付いた。彼の音、というか曲は、煌びやかで安っぽい。でもそれが、実は凄く魅力的な音だった。