2020/02のライブ観賞 9本

2/1
音楽の中心はナカコーの卓でそれとermhoiの卓とヴォイスが絡んで勝井祐二のヴァイオリンがらしい音を差し込む。してメインアクトのカブサッキは俯瞰したように時にはベースラインを弾いてくるのだけどこの音の位置は大きい編成の端でジム・オルークが佇んでいるのと似ているけどそれより更に達観した音
音をあまり彈かない音響の演奏者は日本にもいるけどそれが自分の好むスペースを必要とするのと違ってカブサッキは何も選ばないように見えてだからこの人は特別だと思う

2/6
何度目かのNO-MADは爆音である事に頼らないアグレッシブな整合性があってまあそれはもうオレがNO-MADの曲が完全に頭に入ってるせいなのかも知らんけどNEBUTAのような日本ならではのオルタナな楽曲が他の曲との違和感が無いのはバンドのキョーレツな個性があるからだと思う
オレがずっと付き合うロックバンドはジプシーズ位だろうと思ってたんだけどNO-MADが並んでしまったかもしれない

2/8
不穏な空気の中に淀むヘドロまたはヘドロ&カプリシャスという面倒な名前を持つこのバンドの音の置いて置き方でジャズ耳舐められながらファンクの造り方に身体イジられてる感は病みつきなので面倒すぎる

2/9
アコべの水谷浩章とピアノの石田幹雄とドラムの山本達久のトリオを聴くのは3回目でいつもそのバランスに惹かれてそれは要するにインタープレイのことなのだけどそういう意味で例えるなら現代のビル・エヴァンスのトリオだと思う

2/11
蜂谷真紀&加藤崇之のミクロマクロと本田珠也の合体はMiles DavisのRated Xを拡張したアグレッシブに自在が合わさる音楽でそれが蜂谷の歌声に帰結する展開は即興力という言い方でしか形容の仕方が見当たらない

2/16
1stは40分ほどの中で一人叩きを圧縮するようにビートを変化させる中村達也の音を聴きながらアブストラクト気味に二十絃箏を鳴らす八木美知依という印象
2ndでは八木の歌声が持ち込まれてそれでその後の演奏の方向が確定した印象で、少しバタバタしたような1stとは違ってうまく起伏したと思うんだけどそうなるともっと破綻する方向も聴きたくなるという贅沢な考え

2/22
アコベのAsger Thomsenと1stはテナーで2ndは篳篥を演奏した岡部春彦のインプロは高度に楽器をコントロールしながら音の出し方をとことん模索している様なアプローチで音は鳴ったら消えるだけということを聴いた気分になった
2人とも名前も知らなかったけれどアコースティックのエグさが満遍でホントにヤバいのだった

2/23
最初がRUINS aloneで安定のイカレを聴いて2ndのSlight Slappersで「元気だな」と思う
してのWRENCHでやっぱこれはちょっとマジで今これってのマジこれはオレが聴いてるどのバンドの中でも抜群
サーファーズSUNはSWANSしててここでアルコールに抗えない状態でメインの痛郎はゴメン

2/28
久々の八木美知依トリオはドラムがタリアから中村海斗に変更された面子だったけどこのトリオ編成がクラシックスというハコに似合う音というイメージのジャズという感触から外れない音に仕上がってて須川崇志のアコべとチェロの弦の響きを聴いてると彼がこのトリオのコアと思う
中村海斗のドラムはフリーインプロ的な音色でスネアや金物への細かいアプローチがあってソロの場面は流れでというより考えて入れ込もうとしているように見えて、とりあえずまだ高校生という立場と知ってなかったらそういう年齢の演奏とは思えない
二人の音を見守りつつという感じもあった八木美知依中村達也の聴き手にはこっちの方がウケるだろのエグいエフェクトも使いつつ多彩さを聴かせながら前回とはまた少し違うトリオの音楽の提示しているように思えた