2015/12のライブ観賞 9本

12/3
新作どころかそもそもあまり聴いてなかったOPNは、80sのポップからテクノ辺りのクラブ音楽も踏襲した全部入りのエレクトロニカと化した聴かせる音楽だった。小賢しいと思う部分もあるんだけど、これが最先端のポップ音楽かも。アンコールの最初の曲の押し切っていく感じは個人的にツボだった。
で、先んじてやったAlva NotoのDJは心地良いBPMも使ったフロア仕様。インダストリアルとミニマルの色が濃くて、ぶっちゃけ今まで聴いたNotoのどのライブよりも良かった! つうか、個人的にはOPNよりもNotoにやられた!

12/4
ここ数年、Paal Nilssen-Loveがパワー一辺倒からスタイルが変わりつつあって、それの成果みたいなのは今夜のThe Thingにあったと思う。勿論以前のスタイルもいいのだけど、PNLに変化がつく事でフリージャズが広がったように聴こえる。
でも、The ThingはIngebrigt Haker Flatenのベースが一番の聴きどころ。エレベのテクニカルにヘラヘラになるけど、アコベのアプローチと音色が凄い。アコベではこの人の音が一番かも知らん。
Mats Gustafssonのバリトンは流石のフリーキーさでガツガツするのだけど、テナーでちょろとアイラー張りの鳴きが入ってくるのが良くて、でもやっぱあのブッといフリーキーがヤバい。何喰ったらあの音出るんだ?
して、今夜のゲストのJim O'Rourkeは久々にギターを弾き倒してて、まあもうこうなると聴き所しかないって展開。しっかしO'Rourkeのギター演奏の多様さは何だろな。

12/8
最近は同じ面子で2セットってちょい厳しいって考えなのだけど、八木美知依&本田珠也の道場はそういうのはこのレベルの演奏者に対して失礼な考えだった。 2セットで4つの演奏はそれぞれ違うものになってて、今夜のテーマのサイケとアグレッシヴなロックと八木さんの歌とフリージャズが揃い踏み。
八木さんの20絃と17絃の箏がエフェクトをかます事で色々広がったのは今更だけど、今夜はそこに新味の展開が加わってて、それに本田珠也が躊躇無く対して行く感じから出てくるカッコよすぎのビート。このバンドはマジで面白い。
来年も見たい。というか来月も見たい。ので、来月も足向け決定。

12/13
八木美知依 / Ingebrigt Haker Flate / Paal Nilssen-Love @アケタの店。演奏が半端なくえげつなかったw ハコもカンケーするのだけどThe Thingよりもアグレッシヴだし、管楽器が無い自由度を聴いた気がする。
アメリカからのゲストはなんと1stの途中で参加。しかもまさかのHenry Kaiser!Kaiserは明らかに異能な音を撒き散らしてて、他の3者とは違う事をかまして1stのみで帰っていった…。
なので2ndは3人に戻る。これはちょいマズいパターンだと思うのだけど、いきなり1stよりも熱っぽい演奏かますし、今夜のベストな演奏はその2ndの2つ目のヤツで、ここの抑制された音の展開は激しさよりも耳を引く。この展開で1枚CD作って欲しいという気分。

12/23
今年最後のジプシーズ。相変わらずアップもミドルもグルーヴィーでヘラヘラさせられた...。ロックンロールという言い方ではオレが知ってる音では一番カッコいいのがこのバンド。来年もこの音を聴くという楽しみは確実にある。

12/25
相方がダッチワイフでマンコに刺さる小指とかアナル攻め専門店とか、100%放送禁止な紙芝居だったw
緊縛というのを初めて見たけどやっぱベースはSMなんだな。縛る人と縛られる人、どっちもルックスのクオリティーが高いのが何ともって気分…。あ、紙芝居の子も可愛らしかったです。
落語は2丁目なネタだったw マッチョ系とラガー系とスイマー系とジャニーズ系w
ドラ☆美保はもうただただ圧巻…。正に「ライブ」だった。若林美保が確認しにくい位のレーザーの放射だけどあの肢体の存在感は逆にエロさ増してるし、ドラびでおの猛烈なエレクトロニカは音源だけのリリースも欲してしまうヤツ。そっち界隈もこの音体感したらオレの言ってる事納得するはず。

12/26
ワチュロウパーティー終了! もうマジでフラフラ…。が、オレの世代にはラフィンは特別。意図的な「戦争反対」とかかませるのがこのバンドでよかった。
この世代のバンドとしては若いのがそこそこ来てたのがなんか良い。パンクが受け継がれてるのを実感出来るのは珍しい。
dipの3時間オーバーってのも凄いけど、ラフィンの2時間オーバーってのは音楽のスタイルを考えるとモノ凄い。パンクでこれだけやれるの見た事がない。まあそれでアースダムのラウド・マシーンに行けなかったのは心残りだけど「Get the Glory」聴かずに抜けられんだろ...。

12/28
大友良英3daysの初日の夜の部。山崎比呂志の演奏を聴くのは7年ぶり。その山崎のバスドラは打ち込みの様な現代的な響きで、大きな展開よりビートの継続を徹底しててオレのツボ。呼応する大友のギターが過激な展開で、5弦辺りを切ってしまってたけどそこから逆に熱が上がるヤバいのだった...。

12/29
大友良英3daysの中日の夜の部。1stはONJT単独での演奏だったのだけど、ゲストの入らない状態のONJTはちょい珍しい。大友芳垣水谷という勝手知ったるトリオならではというアグレッシヴな展開。なんてーか、実はストレートにカッコいい。
2ndは佐藤允彦が加わる。最初の演奏はピアノを中心としたフリージャズという感じで、熱っぽいところはこの手のコアだと思う。2つ目はインプロという言い方に近くて、最後に至るまでの音数の減らし方が印象的。1stはゴリゴリだった大友だけど、ゲストが入ると下がり気味になるのは性格だろうな。
今夜はアンコールもあって、終了。個人的な今夜一は芳垣のドラムだった。今年は芳垣のドラムをあまり聴いてなかったのだけど、今夜の叩き込みは鬼気迫るとかそういう感じ。ドラムを叩くセンスは、オレが聴いた事のあるドラムの中でピカイチだと思う。